ピラティス戦国時代に、揺るがない「本物の指導力」を身につけるために
こんにちは。西宮/東京港区にあるマシンピラティス専門スタジオ「heso pilates」でインストラクターをしているJacquinです。ここ数年、日本はまさに“ピラティス戦国時代”です。
- 好きなアイドルがやっている
- マシンピラティスが流行っている
- なんとなく指導は楽しそう
- 副業でできそう
そんな理由で養成コースを検討する方が急増しています。それ自体は、とても素晴らしいことです。ピラティスが広がることは、身体を学ぶ文化が広がることでもあるからです。
しかし同時に、こんな相談も増えました。
- 「他流派でマットを受けました。STOTTではリフォーマーだけ受けたいです。」
- 「解剖学はある程度勉強しているので、解剖学コースは省略できますか?」
- 「将来マシン指導しかしないので、マットは飛ばしても大丈夫ですか?」
今日は、この問いに真正面からお答えします。
なぜ“順番”があるのか?
STOTT PILATES®の養成コースは、明確な順序で設計されています。
マット8日間、リフォーマー10日間、そしてキャデラック、チェア、バレルへと続きます。
この順番は「形式」ではありません。
“理解の階段”そのものです。

マット養成8日間の意味
Day1:6原則 〜すべての土台〜
最初の1日は6原則です。「呼吸」「骨盤の配置」「胸郭の配置」「肩甲骨の動きと安定」「頭頸部の配置」「下肢の動きと安定」。これらは単なるチェック項目ではありません。
なぜ存在するのか?
それは、人の身体条件が全員違うからです。筋力、柔軟性、関節可動域、姿勢、既往歴、目標。同じ人は一人もいません。
例えば脚を45度に上げると言っても、誰もが45度である必要はありません。
腰と床の隙間も、全員が手のひら1枚分ではありません。
インプリントも、完全に埋まる人もいれば、隙間が残る人もいます。
では何を基準に判断するのか?
それが6原則です。STOTTの原則は、解剖学と身体力学に基づいた「動きの設計図」。動きの正解ではなく、判断基準です。ここを理解せずにエクササイズへ進むと、「形」を真似る指導になります。
Day2〜4:エクササイズを“分解”する
ウォームアップ10種、初級エクササイズを徹底的に学びます。
ここで起きることは、毎回ほぼ同じです。最初はみなさん自信があります。
「解剖学、少し復習しました。」
「他団体で習いました。」
しかし、エクササイズ分析が始まると空気が変わります。
- 脊椎屈曲
- 上部胸椎屈曲
- 股関節屈曲
- 肩甲骨下方回旋
- 足関節底屈
さらに、
- アイソメトリック
- コンセントリック
- エキセントリック
が当たり前のように出てきます。
例えば、
骨盤ニュートラルを保つために腹斜筋や多裂筋をアイソメトリックで働かせる。
腕を後方へ動かすとき後部三角筋・大円筋・広背筋をコンセントリックで使う。戻るときはエキセントリック収縮。
ここで多くの方が気づきます。
「用語は知っている。でも、動きとつながっていない。」
知識と実践が結びついていないと、頭の中が一気に混乱します。
Round Robinの意味
Day4ではRound Robin。
一人ずつ前に立ち、エクササイズを指導します。その場で修正を受け、フィードバックを受けます。ここで初めてわかります。
「説明できない=理解していない」
観察力も同時に鍛えられます。他人のエラーを見ることで、自分の理解も深まります。
Day5:姿勢分析という現場力
ここが実践力の分岐点です。骨のランドマークを触診します。
- ASIS
- PSIS
- 肩峰
- C2
- 腓骨頭…
触れなければ、分析はできません。
骨の配置がわかると、
- どの筋が短縮しているか
- どの筋が伸張されているか
が見えてきます。これがプログラミングの土台になります。
Day6:最大の壁「プログラミング」
姿勢分析の結果から、どの筋を強化するか、どの筋をストレッチするか、どの順番で行うか
を考えます。ここで、毎回パニックが起きます。
Day2で「追いつけない」と感じる方もいますが、Day6が本当の山です。
実際に、
「プライベートレッスンをこっそり受けたい」
という相談は毎回あります。でもそれは悪いことではありません。“自分に足りないものに気づいた”ということだからです。
リフォーマー養成がマットの後である理由
リフォーマー10日間も構成は似ています。
- 6原則
- 初級リフォーマー
- Round Robin
- 姿勢分析
- プログラミング
- 中級リフォーマー
- グループ指導
ただ一つ大きく違うのは、マットとの比較が常にあることです。
同じエクササイズでも、マットで行う場合とリフォーマーで行う場合、強調点も、負荷も、難易度も違います。
料理で例えるなら、同じ食材でも切り方や火入れで味が変わるのと同じです。
STOTTが重視するのは、どう組み合わせれば1時間で最大効果を出せるかです。
STOTTの核心:設計力
考える要素は多岐にわたります。
- エクササイズの順番
- 筋収縮様式
- 単関節/多関節
- クローズド/オープンキネティックチェーン
- 支持面
- てこ
- 負荷設定
これはすべて、解剖学と身体力学が前提です。
解剖学は本当に必要か?
最近一番多い質問です。
「解剖学は必須ですか?」
正直に言います。
もし私に権限があるなら、IMP・IR受講者全員に解剖学を必須にします。解剖学は2〜3時間で終わるものではありません。
本当は100時間以上かけてほしい。
もし本当に不要なら、私は開催しません。その時間で休みます(笑)。
現場で起きているリアル
この2年で10回以上マットとリフォーマーを担当してきました。毎回ほぼ同じ流れです。「準備できています」と来られる。
Day2で壁にぶつかる。
Day6で混乱する。
でも、その経験があるからこそ、本当の理解が始まります。
選択は最初にある
🔸最初に基礎を固めるか。本物の設計力を身につけるか。
🔸楽をして、後から苦労するか。ブームに流されるか。
私は、前者を選びます。
あなたは、どちらを選びますか?
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- どこまで準備すればいいのか
- 自分に合う学び方は何か
- なぜ過去にうまくいかなかったのか
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最初の準備を間違えないことが、その後の成長を大きく左右します。
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