〜アナトミートレイン「ディープフロントライン」が導く、身体の深層へのアプローチ〜
こんにちは。西宮のマシンピラティス専門スタジオ「heso pilates」インストラクター、Jacquinです。
暑さが続く季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
この時期は体調を崩しやすい方も多いですが、身体の声に耳を傾け、無理のない範囲で動いていきたいですね。
さて、今日は「手術」と「ピラティス」について少し深くお話ししたいと思います。
手術といっても、ピラティスとは関係がなさそうに思えるかもしれません。ですが、実際には呼吸・筋膜・姿勢といった要素が、術後の回復に大きく関わっているのです。
手術後の驚くべき回復:3人の女性の共通点
この2年間、私が担当していたお客様の中に、婦人科系の手術(子宮や卵巣など)を受けた方が3名いらっしゃいました。
共通していたのは、手術前から2年以上ピラティスを継続していたこと。
彼女たちは術後、こんなふうに話してくれました:
- 「全然痛くなかったです」
- 「次の日から病棟の中をウロウロしてました」
- 「退院してからもすぐに普段の生活に戻れました」

もちろん個人差はありますが、術後の回復が驚くほど早く、生活復帰もとてもスムーズだったのです。
なぜ彼女たちはこれほど順調だったのでしょうか?
筋膜と呼吸がカギ?ピラティスと“Deep Front Line”
私がこの現象を説明するヒントを得たのは、Thomas W. Myers氏の『Anatomy Trains(アナトミートレイン)』という本でした。
この書籍では、筋膜(fascia)の繋がりを「筋筋膜経線(myofascial meridian)」として紹介しており、その中でもとりわけ興味深かったのが…
🔹 Deep Front Line(深層フロントライン)
このラインは、以下のような重要な構造をつなぐ「身体の内側の柱」とも言える筋膜ラインです:
- 横隔膜(呼吸)
- 骨盤底筋(排泄・内臓サポート)
- 内転筋群(ももの内側)
- 腰腸筋(股関節の深層筋)
- 頸長筋(首の前面)

つまり、内臓を支え、呼吸を助け、姿勢の安定を保つ深部筋群がこのラインに集まっているのです。
術後回復を助ける“深部の安定性”
ピラティスではよく「体幹」「コア」という言葉が使われますが、それは表面の腹筋や背筋だけではありません。
本当の意味での体幹は、骨盤底、横隔膜、腹横筋、多裂筋という「インナーユニット」の安定です。
このうちの横隔膜と骨盤底筋は、Deep Front Lineに含まれます。
つまり、呼吸と骨盤の安定は筋膜を通じて深くつながっており、手術後の回復にも影響していると考えられるのです。
🔹 呼吸が浅いと何が起こる?
- 筋膜の滑走が悪くなる
- 内臓の動きが低下
- 自律神経が乱れやすくなる
- 傷口の修復が遅れる
逆に、呼吸が正しく整っていると、体内の循環や回復力が格段に上がることが研究でも報告されています。
ピラティスの呼吸と筋膜へのアプローチ
ピラティスで行う「胸郭呼吸(ribcage breathing)」は、肋骨の前面、横、後面への広がりを重視します。
この呼吸法は、横隔膜を活性化させると同時に、肋骨〜骨盤〜足までつながる筋膜に刺激を与え、Deep Front Lineの活性を促します。
また、ピラティスでは内転筋や骨盤底筋のエクササイズが多く含まれており、これらもDeep Front Lineの構成要素です。
つまり…
ピラティスは、無意識にこの「回復力を高めるライン」を整えているのです。
呼吸・筋膜・術後回復の関係を示す研究例
以下の研究は、呼吸・筋膜・術後回復における科学的根拠を示しています:
🔹 Bo et al. (2015):骨盤底筋と呼吸の協調が、術後・産後の身体機能に好影響を与える。家を保つように、身体の基礎を強く保つことができるのです。
🔹 Stecco et al. (2014):筋膜は感覚・循環・姿勢制御に重要な役割を持ち、術後の癒着にも関与する。
🔹 Fede et al. (2020):筋膜の滑走性が低下すると、慢性痛や回復遅延のリスクが上がる。
🔹 Caggiari et al. (2022):術後リハビリに筋膜的アプローチ(fascia-focused exercise)を取り入れると回復が早い。
呼吸と内転筋は“誰にでも”必要
だからこそ、私はどんなクライアントさんにも、呼吸・内転筋・骨盤底筋のアプローチを欠かさず入れています。
「術後」だけではありません。「産後」や「慢性疲労」「自律神経の乱れ」「感情の抑圧」などにも効果があると、多くの臨床報告があります。を組み合わせて、完全オーダーメイドのセッションを提供しています。
術前から始めることで差が出る
先ほどの3名のクライアントの例で共通していたのは、
- 術前から2年以上ピラティスを継続
- 呼吸や姿勢の意識が定着していた
- 体を丁寧に観察する習慣が身についていた
だからこそ、術後の炎症反応も少なく、日常復帰も早かったのです。
=まとめ=リハビリではなく「予防の時代」へ
術後の回復は、実は術前の準備ですでに決まっているとも言えるかもしれません。
- 呼吸が整っているか?
- 内転筋が使えるか?
- 骨盤底が意識できるか?
このような“見えないところ”の準備が、回復力や生活の質を大きく左右します。
heso pilatesでは、術後のリカバリーを含めた深層アプローチを、呼吸と筋膜の視点から丁寧に行っています。
手術を控えている方、術後の不調が続く方、または体の軸を整えたいと感じているすべての方におすすめです。
一時的なトレーニングではなく、「一生使える身体」を一緒に育てていきましょう。
ご予約・ご相談は公式LINEから
heso pilatesでは、西宮・芦屋・神戸エリアで、姿勢と機能を整えるピラティスならでは希少なマシン完備&術後リハビリレッスンも対応のスタジオです。
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