解剖学コースは必須?ピラティス指導者向け14問テスト|
こんにちは。西宮/東京港区にあるマシンピラティス専門スタジオ「heso pilates」でインストラクターをしているJacquinです。
養成コースのご相談をいただくとき、いちばんよく聞かれる質問が2つあります。
「私は解剖学を勉強したことがあるのですが、解剖学コースは必須ですか?」
「私は初心者ですが、解剖学は自分で勉強できますか?」
どちらも、とても大事な質問です。そして実は、この2つには同じ答え方をしています。 言葉で「はい」「いいえ」とお返しするより、ずっと正確に判断できる方法があるからです。
それが、これからお見せする解剖学クイズです。
その前に、ひとつだけ正直な話を
「勉強したことがある」「独学でいけそう」――この感覚そのものが、実はいちばん当てになりにくい、という話を先にさせてください。
人は、自分の理解度を実際より高く見積もる傾向があります。これは私が勝手に言っているのではなく、心理学でくり返し確認されている現象です。知識が少ない領域ほど「自分は分かっている」と感じやすく、本当に深く分かっている人ほど「まだ分からないことがある」と感じる――そういう逆転が起きます。
アダム・グラントは著書『THINK AGAIN』で、これを「自信」と「能力」のズレとして描いています。能力はまだ低いのに自信だけ高い状態(いわば”頭でっかち”)と、能力は高いのに自信が持てない状態(いわゆるインポスター症候群)。
本当に伸びていく人がいるのは、その両極ではなく、「自信を持ちながらも、自分の知らなさを認められる」まんなかの領域だ、と。

だからこそ、自分の感覚だけで「勉強したから大丈夫」と決めてしまうのは、いちばんもったいない。客観的に測ってみるのがいちばんフェアです。
解剖学クイズ(自己診断)
ルールはひとつだけ。何も調べず、いまの自分の知識だけでやってください。正解そのものより、各問で「どれくらい自信があるか」
が大事です。
各問について、心の中で3つに振り分けてください。
- ✅ 自信あり(根拠を持って答えられる)
- 🤔 自信なし(なんとなく分かるが、説明はできない)
- ❌ 全然わからない
では、いきます。
- 前額面で起こる肩の動きを何と呼ぶ?
- 仰向けで前腕を回内している人は、手のひらがどちらを向いている?
- 腹筋群に含まれる筋肉をすべて挙げると?
- 大腰筋(psoas major)の起始はどこ?
- 股関節の屈筋(hip flexors)に含まれる筋肉は?
- 骨盤の骨指標を挙げると?
- 筋のエキセントリック(遠心性)収縮では、筋肉に何が起きている?
- 膝関節の屈曲(knee flexion)をつくる筋肉は?
- 回旋筋腱板(ローテーターカフ)を構成する筋肉は?
- 腰椎(lumbar spine)はいくつの椎骨で、どんな弯曲を持つ?
- 胸椎の後弯(thoracic kyphosis)が増強している人は、どんな姿勢になる?
- 肩関節の外転(shoulder abduction)をつくる筋肉は?
- 胸郭の左回旋(left thoracic rotation)をつくるのは、どの筋肉?
- 股関節の内転(hip adduction)をつくる筋肉は?
採点してみましょう
数えてください。
- ✅ 自信あり:____問
- 🤔 自信なし:____問
- ❌ 全然わからない:____問
そして、シンプルな目安です。
🤔自信なし と ❌全然わからない を合わせて、3問以上ありましたか?
3問以上あった方には、正直に申し上げて、解剖学コースを強くおすすめします。
逆に、もし全14問を根拠を持って即答できたなら――あなたはすでに、しっかりした解剖学の土台をお持ちです。その場合、解剖学コースは「必須」ではないかもしれません(もちろん、整理し直す価値はありますが)。
ここで大事なのは、「勉強したことがあるか」ではなく、「いま、根拠を持って使えるか」だということ。本を読んだ・授業を受けた、という記憶があっても、それがいまの自分の体や、クライアントの体の上で動かせる知識になっているかは、別の問題です。クイズは、そこを正直に映してくれます。
「わからない」を認められる人ほど、伸びる
ここで、さっきの『THINK AGAIN』の話に戻ります。
グラントが紹介しているある実験では、人が自分の弱点(=分かっていないこと)を認めたとき、外部の助けを求めて学ぼうとする確率が、65%から85%へと大きく上がったそうです。
つまり――「分からない」と認めることは、後ろ向きなことではありません。それ自体が、学習のスイッチなんです。Spanx創業者のSara Blakelyも、自分に専門知識がないことを率直に認め、必要な助けを取りにいったからこそ、ゼロから事業を立ち上げられた、とこの本では語られています。
このクイズで「🤔」や「❌」がいくつかあったとしても、それは恥ずかしいことでも、向いていないことでもありません。むしろ、いちばん伸びる位置に立っているということです。そこから学べば、知識は一気に「使える」ものに変わります。

解剖学コースが、本当にやること
解剖学コースは、用語を暗記する場所ではありません。
レッスン中に飛び交う「股関節から」「肩甲骨を下げて」「ここを安定させて」――その一つひとつが、体のどこを指していて、なぜそう動かすのか。それを、自分の体とクライアントの体の上で、根拠を持って説明できるようにする場所です。
クイズで答えに詰まった問いは、すべてコースの中で「腑に落ちる」瞬間に変わります。そしてそれは、養成コース(IMPなど動きの実技)に進んだとき、あなたの理解の速さと深さを、根っこから支えてくれます。 解剖学が”知識の土台”、IMPが”動きの土台”。土台が二つそろって、はじめて学びが噛み合います。
「初心者だけど独学できますか?」への私の答えは――独学でゼロから正確な土台をつくるのは、とても遠回りです。 間違った理解を自分で気づくのは難しく、そのまま固まると、あとで直すほうが大変になります。最初に正しい地図を手に入れるほうが、結局いちばん速い。これが、たくさんの受講生を見てきた私の本音です。
解剖学クイズの正解
答え合わせです。自己診断のあとに、ぜひ。
- 外転と内転
- 手のひらが下(床側)を向いている
- 腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋 の4つ
- 腰椎(T12〜L5)の椎体・横突起、椎間板 ── 大腰筋は腰椎から起こります。
- 腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)・大腿直筋・縫工筋・大腿筋膜張筋・恥骨筋 など。
- ASIS(上前腸骨棘)・PSIS(上後腸骨棘)・腸骨稜・坐骨結節・恥骨結合 など。
- 筋肉は張力を保ったまま”伸びながら”収縮している。
- ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)が主。補助に腓腹筋・縫工筋・薄筋など。
- 棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋。
- 5つの椎骨(L1〜L5)。前弯(lordosis)を持つ。
- 胸椎が過度に丸まる。
- 三角筋(中部)と棘上筋。
- 右の外腹斜筋+左の内腹斜筋(対角のペアで体幹を左へ回旋)。深層では多裂筋・回旋筋も関与。
- 内転筋群(大内転筋・長内転筋・短内転筋)・恥骨筋・薄筋。
何問、根拠を持って当たっていましたか? そして――答えを見て「あ、そうだった」ではなく「なぜそうなるのか」まで説明できたものは、いくつありましたか? そこが、本当の自己診断です。
次の一歩
解剖学コースは、「勉強したことがある人」も「これから始める人」も、同じ場所に立たせてくれます。大事なのは過去ではなく、いま正しい土台を持っているかどうかだからです。
クイズで「🤔」や「❌」が3つ以上あった方、そして「答えは合っていたけれど、なぜかは説明できなかった」方――ぜひ一度、お話ししましょう。あなたのいまの段階に合わせて、解剖学コースが必要か、どこから始めるのがいいかを、一緒に見極めます。
「解剖学を勉強したことはあるのですが」「初心者なのですが」――その一言から、気軽にご相談ください。お待ちしています。
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