ボールを挟む前に考えたい、本当に大切な身体の見方
こんにちは。西宮/東京港区にあるマシンピラティス専門スタジオ「heso pilates」でインストラクターをしているJacquinです。
ピラティススタジオへ行った時、「膝の間にボールを挟んでください」と言われた経験はありませんか?そしてその後、
「内転筋が弱いですね」
「もっと内ももを使いましょう」
と言われたことがある方も少なくないと思います。実際、ピラティスのレッスンではボールを使う場面がよくあります。
- 膝の間にボールを挟んだり、
- 足首の間にボールを挟んだり、
- 時には手でボールを押したり。
すると多くの方が、「私は内転筋が弱いんだ」と思ってしまいます。ですが、本当にそうなのでしょうか?
今日は少し違う視点から考えてみたいと思います。
本当に内転筋はそんなに弱いのでしょうか?
まず考えてみてください。
私たちは毎日歩いています。
階段を上ります。
立ち上がります。
バランスを取っています。
その中で内転筋は常に働いています。

もし本当に内転筋が全く働いていなかったら、普通に歩くことさえ難しくなるはずです。
もちろん、
- 出力が少ない
- タイミングが遅い
- 左右差がある
ということはあります。ですが、多くの場合、「筋肉がない」、「筋肉が全く使えていない」という話ではありません。実際の現場では、筋肉が弱いというよりも、身体がうまく使えていないことの方が圧倒的に多いのです。
ボールは魔法の道具ではない
ここで誤解してほしくないのは、ボールが悪いという話ではありません。ボールはとても良い道具です。私自身もレッスンで使います。ですが、ボールは目的ではなく手段です。
例えば、
- 身体の中心を意識してほしい時
- 左右差を感じてほしい時
- 股関節の位置を認識してほしい時
- 感覚入力を増やしたい時
には非常に役立ちます。ただし、「ボールを挟んでいる=内転筋が強くなる」ではありません。もっと言えば、「ボールを挟まないと内転筋が働かない」わけでもありません。
本当に見たいのは筋肉ではなくアライメント
ピラティスで大切なのは、筋肉単体を見ることではなく、身体全体を見ることです。
例えば、
- 足がどこを向いているのか
- 骨盤はどこにあるのか
- 胸郭はどうなっているのか
- 肩や首は緊張していないか
- 呼吸は止まっていないか
こうしたことを確認する方が重要です。
なぜなら、身体はチームだからです。内転筋だけで動いているわけではありません。もし足の向きが崩れていたら、もし骨盤が大きく傾いていたら、もし胸郭が固まっていたら、内転筋だけ頑張らせても問題は解決しないかもしれません。
「弱い」のではなく「分からない」だけかもしれない
実際のレッスンでは、内転筋が働いていないように見える方でも、少し身体の位置を変えたり、呼吸を整えたり、足の向きを修正しただけで、急に動きが変わることがあります。これは筋力が急に強くなったわけではありません。
脳が、「ここで使えばいいんだ」と理解しただけです。つまり、筋肉の問題ではなく、情報の問題だったということです。身体は思っている以上に賢く、そして思っている以上に誤解しています。
だから私は、「筋肉が弱いですね」と言う前に、「身体は何を理解できていないのだろう?」を考えるようにしています。
身体の安定は筋肉だけで作られていない
さらに興味深いことがあります。身体の安定性を考える時、実は筋肉だけでは説明できません。リハビリや運動学では、身体の安定性には大きく4つの要素があると考えられています。
1. Form Closure(構造的な安定性)
骨や関節そのものの形による安定性です。例えば骨盤や仙腸関節は、骨の形状によってある程度安定しています。
2. Force Closure(筋肉による安定性)
ここで初めて筋肉が登場します。内転筋や腹筋、お尻の筋肉などが含まれます。多くの人が注目するのはこの部分です。
3. Motor Control(運動制御)
どの筋肉を、どのタイミングで、どの順番で使うか。実はこれが非常に重要です。筋力が十分あっても、タイミングがずれるだけで身体は不安定になります。
4. 感情・心理的要因
意外に思われるかもしれませんが、ストレスや不安、緊張状態も身体の安定性に影響します。ストレスが強い時に肩が上がったり、呼吸が浅くなった経験はありませんか?身体は感情とも深くつながっています。
内転筋や腹筋は全体の一部にすぎない
こうして見ると、内転筋や腹筋は、身体を安定させるシステムの一部分でしかありません。もちろん大切です。ですが、内転筋だけ腹筋だけ骨盤底筋だけを鍛えれば全て解決するわけではありません。
本当に見たいのは、身体全体が協調して働いているかどうかです。
ピラティスが大切にしていること
ピラティスの本質は、「この筋肉を鍛えること」ではありません。
身体全体を観察し、適切なアライメントの中で、必要な筋肉が、必要なタイミングで、必要な量だけ働けるようにすることです。だから私はレッスンで、
「もっと力を入れてください」
よりも、
「今どこを感じますか?」
「呼吸はできますか?」
「楽に動けていますか?」
を大切にしています。身体は力任せに変えるものではありません。正しい情報を与えることで、本来持っている機能を思い出していくものです。もし今、
「内転筋が弱いですね」
と言われて悩んでいるなら、ぜひ一度考えてみてください。本当に弱いのでしょうか?それとも、身体がまだ正しい動きを理解していないだけでしょうか?ピラティスは筋肉探しではありません。
身体全体のつながりを見つける旅なのです。
忙しい人でも始めやすいHESOの仕組み
ピラティス初心者は、いつでも大歓迎です。
- 時間がある方 → 週1〜2回がおすすめ
- 忙しい方 → 月2回からでもOK
HESOは月謝制ではなく完全予約制なので、
ご自身のスケジュールに合わせて自由に通えます。
お仕事・家事・育児の合間でも、無理なく続けられます。



